クレジットカードの不正利用があった場合にどうすればいいか、順を追って説明します。
被害の例
筆者が経験した不正利用は、詐欺サイトに誤ってクレジットカード登録をしたために、身に覚えの無い架空請求が多数上がってきた、というものです。
利用枠が一杯になってしまっても気づかず、逆に次々にカードを登録したため、複数カードに被害が及び、発覚したときはかなり酷い状況でした。
対処の流れ
STEP1:必要なものを準備する
まず、以下のものを準備します。
- 不正利用されたクレジットカード、もしくは番号
- 不正利用の請求書(ウェブ請求書でも可)
- カード会社の不正利用申し立て窓口の電話番号
- 電話
- メモ帳
- 自分名義の銀行の口座番号
STEP2:カード会社に連絡する
カード会社の不正利用申し立て窓口に電話をかけます。担当者が出たら、以下の手順で話を進めます。
- 1. 担当者の名前を聞いてメモする
- 2. カード番号を告げて、本人確認を行う
- 3. 請求書上で、不正利用された請求の日時・金額・請求社名を告げる
- 4. 「これは不正利用です」と告げ、「請求を取り消してください」と宣言する
- 5. 不正請求に至った経緯を聞かれるので、ありのままに答える
カード会社の対応の流れ
さて、ここからはカード会社によって対応が分かれます。
1:取り消しに応じる場合
その場で取り消してくれる場合は、これで終了です。
2:取り消し要請を書面で送るよう指示される場合
「書面で送れば、取り消すのか?」と必ず質問してください。まず間違いなく「請求書は受け付けるが、取り消すかどうかはこちらで判断する」と言ってきます。
ここで、「では、取り消すかどうか判断されるまでは、請求金額を銀行から引き落としをしないでください」と伝えてください。このあと、以下の2-1もしくは2-2に進みます。
2-1:引き落としの留保に応じる場合
基本的に、従うことで問題ありません。数日後、届いた書面に記入して返送してください。
この審査には、長い場合で数ヶ月かかる場合があります。審査の結果、取り消される場合は、これで終了です。取り消しに応じない場合は、3に進んでください。
2-2:引き落としの留保に応じない場合
電話を切ります。以降は3と同じです。
3:取り消しに応じない場合
「不正利用ではなく、あなたの不注意だ」「請求額をまずは支払って、警察に相談してほしい」などと言ってくる場合は、以下の対応となります。
カード会社のそれまでの対応経緯を紙に書き出してから、お住まいの自治体の「消費生活センター」に出向きます。
担当者に、クレジットカードの不正利用の顛末を説明した後、取り消しに応じないクレジットカード会社の名前・担当者の名前・電話番号・これまでの対応を記したメモを渡し、消費生活センターの担当者に、取り消しを要請する電話をかけてもらうようお願いします。あとは、お任せで構いません。
すでに引き落とされてしまっている場合
不正利用分がすでに口座から引き落とされてしまっている場合は、カード会社に電話したとき、不正利用分については銀行口座に振り込み戻すように要請しましょう。
本記事の例でも、このようなケースが1社あり、そのときは要望は受け付けてもらえました。
筆者の経験
筆者が実際に複数のカード会社と交渉して分かったことは、不正利用への対応は、カード会社の「誠実さ」に拠るところが大きい、ということです。
筆者が被害にあったケースでも、「1:すぐに取り消しに応じる」対応をしたのは1社だけでした。
多くは「2:書面送付を求められる」で、しかも、うち1社は、「他社も対応している」と告げるまで、書面をなかなか送ろうとしませんでした。
頑として「3:取り消しに応じない」という社も1社だけあり、「こんなカードを海外で使って、万一不正利用が起きたら…」と背筋が寒くなる思いをしたものです。
おわりに
不正利用は、怪しげな店やサイトでクレジットカードを使っていなければ、滅多に起きるものではありません。
しかし、クレジットカードは利便性を優先し、セキュリティは「ほどほど」な仕組みになっているため、誰でも不正利用に遭う可能性はあります。皆さんもお気をつけください。
(photo by amanaimages)